Heaven Sent:第十八話
実家からアパートへ戻る途中でコンビニに立ち寄り、夕食の弁当とビールを二本買った。荷物を片付けるのに手間がかかりそうなので、途中で作業を中止したくなかったのと、短期間とはいえ、理恵子と二人で暮らした住まいになるべく長くいようと思ったか ...
【平成三十年三月三十日】前略、橋の上より
前略、山間の店舗の皆さん、お元気でしょうか?
送別会を開いていただいてからまだ一週間ですが、お便りします。
そちらの新店長と入れ替わりの異動、自分には意味が理解できません。そちらの新店長も自分も、お互い通勤時間 ...
Adios Amigos !
2月22日に内示を受け、3月15日付で人事異動が発令された。こんど行く店舗は、いま在籍している店舗より月商が700万円ほど高い店舗で、我が社の平均的な現所属店と違い取り扱い品目が少々特殊な店である。2年前、土地絡みで営業を続けられなく ...
Heaven Sent:第十七話
自室に籠ってゴロゴロしてると惨めな自分の姿しか浮かばないので、どんどん鬱になってくる。それでも何もする気にならないし、このまま夜まで過ごしてしまおうかとも思ってしまう。部屋の窓に目をやると信号機があの時と同じように青、黄、赤と変わっ ...
Heaven Sent:第十六話
自分の人生を他人の人生と比べるなんて、とっくに止めてる。人様を羨むより、あきらかに人より恵まれてない自分の人生、明日どうなるかなんて考えず今を生きよう、昨日より今日を良くしようと生きてきた。だけど今の俺の在りようはどうだ? 日々悪く ...
Heaven Sent:第十五話
――結局あの後、目が覚めたら朝になっていたので、あの出来事が現実だったのか夢だったのかは未だ分からない。でも、言われることは違っていても、今もあの光と声の夢を見続けているので夢だったのかとも思う。そのことも含め、過去を振り返りながら ...
Heaven Sent:第十四話
自室に戻って照明の豆電球だけは点けたままベッドに飛び込み、恐怖でエンジンブローしそうなほど高鳴っている心臓の鼓動を感じながら、タオルケットを頭まで掛けた。神社の御神木といいチャイムが鳴ってるのに誰もいないことといい、今日の出来事は絶 ...
思い出のステップ
人生は駄菓子屋で買い物をするようなものだ。甘いお菓子に酸っぱいお菓子、しょっぱいお菓子を選んでいく。
選択次第で酸っぱいお菓子ばかり食べることになり、甘いお菓子を買うことはない。特に若い頃は選択が下手で、酸っぱいお菓子 ...
Heaven Sent:第十三話
友達の後を追いかけて必死に走っていると、鳥居の手前で何者かに右肩を掴まれ引き倒されそうになったが、俺たち以外に人がいる訳がない。恐怖から逃れるように走りながら頭を左右に振り、公民館の手前でやっとケンに追いついたが、誰も別れの挨拶なん ...
Holy Room
白い空気の中で積もった白い雪 冷たい思い出とともに天から落ちてきた
凍える寒さの中で思い出すのは なぜか8月12日の夕焼けと入道雲
天から落ちてくる白い雪が 俺には真っ白な灰のように思えるから
冷た ...
