読み切り長編小説

創作長編小説

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 そんな気配を感じながら、放射線治療に投薬治療が続く毎日。

 ひどく体が痛むときは鎮痛剤の医療用モルヒネを処方され、頭がボゥッとしてしまい意識を保つのも難しい。

 ベッドに寝てるだけでも体中が痛い。特に背中の、 ...

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 緩和ケア病棟は、今いる病棟の南側にある。

 二つの病棟をつなぐ二階の連絡通路に行くため、俺たちはエレベーターに乗り込んだ。

 扉が閉まると、俺は溢あふれ出る涙を袖口で拭き、大きく溜息をついた。

「 ...

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 しばらくの間、椅子に座ったまま天井を見ていたが、やはりというか、当然のことだが思考が停止してしまい何も考えることができない。

 頭の中にあるのは『死』の文字だけ。

 人は誰でも死ぬと分かっていながら、いざ自分 ...

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 道路に出て、車を走らせてから少しすると、やっと緊張から解放され息が整っていく。

 ここ最近、自宅で起こる怪異や俺のスマホに自分からのメールが着信するなど、不思議な現象が続いている。もしかしたら、俺が入院してる間も怪異が続 ...

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 駐車場から病院の前を通る道に出ると、東に向かって通勤ラッシュが終わった道路を走る。時間は朝十時過ぎ、交通量は少なく車は快調に走っていく。

 やっと退屈な入院生活から解放されたためか、俺は自然と助手席に座る良美に話しかけて ...

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 ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。

 この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。

「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた? ...

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 廊下に出て右に行くと、突き当たって左側にテーブルやベンチが設置されたスペースがある。

 その場所に人が多くなかったこともあり、窓際まで点滴をぶら下げたイルリガートルを押していき、ベンチに座って電話をすることにした。

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「良美、売店で水を買ってきてくれないか」

 俺はベッドに横になったまま、クローゼットに荷物を収納している良美に向かって、水を買ってきてくれるよう頼んだ。

 昨夜からの水分補給が朝食の味噌汁と水だけのためか、喉が ...

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 ――救急車の通過を知らせる、騒々しいアナウンス。

 けたたましく鳴り響くサイレンに叩き起こされて目を開くと、カーテンで仕切られた病室のベッドの上で寝ていた。

(そうだ、店で倒れて入院させられたんだ……)

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「良美! 脚立きゃたつに上ってくれ!」

 一階の屋根に付いている雨樋あまどいを外し終えた俺は、季節外れの大雪で壊れた家の雨樋を修理するため、良美に手伝ってもらって新しい雨樋に交換しようとしていた。屋根に付いていた雨樋は雪の ...