夢幻の旅:第四話
風呂から出た後、スマホはダイニングテーブルの上に置いたままだったし、当然パソコンも使ってない。それに、自分で自分のメールアドレスに空メールを送信する理由などないだろう。
左手に持ったスマホを見つめてるうち、なんだか薄気 ...
夢幻の旅:第三話
二十秒ほどで勢いよくお湯から頭を出し、体が温まったところで風呂を出てダイニングへ向かうと食欲をそそる匂いが漂ってくる。
キッチンにある冷蔵庫を開けて缶ビールを一本取り出し、ダイニングテーブルにスマホを置いて椅子に座り、 ...
夢幻の旅:第二話
帰宅ラッシュの国道から灯りが全くない山道へ入り、細く曲がりくねった峠をひとつ超えると自宅がある地元の街だ。早く気持ちを切り替えなければならないのに、俺は車を走らせながら初めて蛍と出会った日のことを思い出していた。
(なぜ ...
夢幻の旅:第一話
人の一生はあまりにも短い。これまでの人生を振り返れば走馬灯のように過去が甦り、幻だったかのように消えていく。過ぎ去りし日々に後悔があろうと変えることはできず、悔いなき人生を全うした人も存在しえない。
一期一会の出会いを ...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の4
ヘンタイロスがワグカッチの風呂屋でのスペクタクルな体験を思い出して一人エキサイトしていると、アヘイジが屋台の下からなにやら取り出し、埃を払っている。見れば、それは硬そうなバネの塊だった。
「アヘイジさん、それは……」
Gimme Gimme Shock Treatment 其の3
ヘンタイロスとザーメインの前に出されたのは、先ほどと同じコハダの寿司である。なぜ同じネタの寿司を握ったのか真意を量りかねて食べずにいると、アヘイジの声が聞こえてきた。
「兄さん、そのコハダ、さっきの寿司と違うところがある ...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の2
「うぅっ……」
アヘイジが握った寿司を口に入れた瞬間、ヘンタイロスの後頭部に鈍器で強打されたかのような衝撃が走った! 全神経が勝手に口に集中し、寿司を食べることが止められない。吟味されつくしたコハダと絶妙な酢飯、シャリと ...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の1
レストランを出たザーメインとヘンタイロスは、通りを歩きながら先ほどの料理について話していた。大陸料理の華やかさに魅了されたヘンタイロスは、盛り付けの優美を褒めるものの、隣を歩いているザーメインは首を傾げながら聞いている。
Autographic:あとがき
「犬をいじめると狼が来るぞ!」
子供の頃、犬に追いかけられて石を投げつけながら家に帰ると、小鹿野町出身の祖母に決まって「狼が来るぞ」と怒られた。
昔は犬が放し飼いにされていて、野良犬か飼い犬かの区別は知って ...
Autographic 第三十話:自然
翌朝、目を覚まして朝食を食べ終え、父さんと和幸を見送り小鹿野のおじさんの家に行くため着替えを用意しはじめたものの、今度は何日泊まっていいのか分からない。一階に降りて洗濯している母さんに聞くと、検査で帰ってこなければならないため、一週 ...
