第八話 Give It Up 其の2
幸いにして林の中では棒切れには事欠かず、すぐに太い棒を探し出してパンチョスとポコリーノに渡し、全員で墓穴の周りを取り囲んでしゃがむと、一斉にシャザーン卿の身体をつつき始めた。
「シャザーン卿、起きたまえ!」
「おいシャザーン卿! いつまで寝てやがる!」
皆で声を掛けながら身体のあちこちをつつくが、シャザーン卿が起きる気配は全く無い。あまりの反応の無さに全員が顔を見合わせ、誰が言いだす訳でもなく四人とも更に強くシャザーン卿の身体をつつき始めた。
だが、つついてもつついてもシャザーン卿は反応を示さない。
大の大人が穴に落ちたオヤジをつつくという行為に、いつしか四人は口元に薄い笑いを浮かべながらつつく様になり、全く反応を示さないシャザーン卿に、皆が諦めにも似た苛立ちを感じ始めていた。
「ワタシ、腕が疲れてきたわん! 早く起きてよん!」
苛立ちが頂点に達したのか、シャザーン卿の左半身をつついていたヘンタイロスが突如、シャザーン卿の股間に棒を当ててつつきだした!
「ウフフ……。エイッ!」
ヘンタイロスは、聞く者の気が抜けるような気合を発しながらシャザーン卿の股間をつつき、時には感触を楽しむかのようにグリグリと棒で股間を舐る。
己の行為に興奮し始めたのか、ヘンタイロスの呼吸は荒くなり、目を輝かせながら一心不乱にシャザーン卿の股間をつついている。
シャザーン卿の股間を食い入るように見つめながら棒で股間を舐るヘンタイロスが、しゃがんだまま一歩前へ出た時だった。
「げぇん!」
墓穴の縁が崩れ、ヘンタイロスが穴の中に落ちたのだ!
「ホッ……ゲッ……」
ヘンタイロスが身体の上に落ちた事で、シャザーン卿は呻き声をあげながらやっと目を覚ました。
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かわらずの軽い変態タッチの小説を拝読させていただきました。下品さがっきゃらくたーに生命感をあたえていますねえ。