第二話 Teenage Robotomy 其の6
暴行族の二人は時折ベラマッチャを指差しながら、頭の上で指を回したり、頻りに首を捻ったりと、まるで変態に出会った様な態度である。
「ナウい? フィーバー?」
「まだ若いのに可愛そうによう。あいつ、完全にイカれてるぜ」
暴行族の会話に、ベラマッチャは衝撃を受けた! ベラマッチャの試みは完全に失敗したのだ!
ベラマッチャは衝撃のあまり、身体を硬直させたまま意識が遠のいていく感じを必死に堪えていたが、次第に二人の暴行族に対する怒りが込み上げてきた。
硬直したままの身体を動かし一歩踏み出すと、ベラマッチャの怒りが爆発した。
「キミィッ! けしからんではないか! 街の人たちを暴行し、挙句の果てには稼業人にまで喧嘩を売っている君たちを諭そうとやって来た僕に、なんたる暴言!」
ベラマッチャは顔を真っ赤にし、二人に向かって怒りの形相で叫ぶと途端に暴行族の顔から血の気が失せ、その場にへたり込んでしまった。
暴行族の様子を見たベラマッチャは、説教を続ける好機と睨み、たたみ掛ける様に怒鳴りたてた。
「いい若い者が集団で街の人に迷惑を掛けるとは、不届き千万! 猿以下の所業だ! 君たち動物園を受験しても落ちるぞ!」
一息ついたベラマッチャが両手をマワシに添えて暴行族を見ると、二人はガタガタと震えながら顔を見合わせている。
「かっ、稼業人に喧嘩を売ったって……?」
「じょっ、冗談じゃねえ~。もうワグカッチにゃ居られねえ!」
暴行族は立ち上がり、ベラマッチャの顔を見つめながらジリジリと後に下がると、勢いよく走り去った。
逃げ去る二人を目で追ってから、銅像の台座に上がり周りを見ると、倒された暴行族たちが起き上がり始めている。どうやら、ポコリーノとシャザーン卿は、たった二人で全ての暴行族を倒してしまったようだ。
広場を見渡していると、見覚えのある物体が視界に入ったので横を見ると、ヘンタイロスがブラジャーを直していた。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません