創作長編小説

神様の贈りもの

創作長編小説

 ――夜十一時三十分、家の中から物音が聞こえなくなり静かになった。家族は全員床に就いたようだ。スウェットからジーンズとTシャツに着替え、カメラと家の鍵を持ってそっと階段を降りて行った。

 廊下も玄関も真っ暗で父と母も寝てし ...

創作長編小説

神様の贈りもの

創作長編小説

 目が覚めると部屋の中が薄暗くなっており、首や腕、脚のあちこちが痒い。小説を読んでたはずなのに、いつの間にか寝てしまったようだ。窓は全開のままだしTシャツに短パンじゃあ、蚊に刺してくれって言ってるのに等しい。痒くなって当たり前だろう。 ...

創作短編小説

バレンタインデー

創作短編小説

 誰にだって思い出がある。楽しかった思い出に嬉しかった思い出、悲しい思い出。ほとんどの人にとって、人生に埋めてあるタイムカプセルには大切な宝物が入っているに違いない。

 でも、俺の人生に埋めてあるタイムカプセルにはガラクタ ...