創作長編小説

神様の贈りもの

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 退屈な授業がやっと終わり、再び生徒たちのお喋りや笑い声で賑やかになる教室を出て、俺とゴリと小和田は理科室へ向かった。まーちゃんとケンは教室掃除、そして運が悪い事に高田とチョーケンはトイレ掃除の週だった。ゴリと小和田と喋りながら理科室 ...

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神様の贈りもの

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「いま思いついたんだけど、みんなでカメラ持っていって写真撮らねえ? もしかしたら心霊写真が撮れるかもよ?」

「いいねぇ! 心霊写真が撮れたら『あなたの知らない世界』に送ろうぜ!」

「それ賛成! テレビで放送され ...

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神様の贈りもの

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 中学三年生の夏、一学期の期末テストが終わり授業が午前中だけになってから数日、茹だるような暑さの中登校すると、教室は大騒ぎになっていた。仲の良い友達たちが五人集まり、高田という奴が身振り手振りを交えて大声で何事かを話している。プロレス ...

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神様の贈りもの

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 俺に気を使ってか、あまり喋らない親父とお袋と一緒にいるのが辛いので、借りた布団を車に積み、お昼には帰って来ると伝え実家近くの川へ散歩に出かけた。橋の袂から土手に入り、何度も夢で見た場所へ行くと、子供の頃は田圃と畑ばかりで民家は数える ...

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神様の贈りもの

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 ――実家の南を、西から東に流れる小さな川の北側の土手の上、真っ暗闇の中に俺は立っていた。まるで、映画のスクリーンかテレビ画面を見るように、俺が見るところだけ映像が写り他は真っ暗闇。下を見ると、普段は大人の膝丈くらいの水量しかない川だ ...

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神様の贈りもの

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 十二月二十五日クリスマスの夜、仕事を終えて、外灯も点いてない家に帰ると、暗闇の中手探りでドアの鍵穴を探し出して玄関を開けた。

 真っ暗な我が家、灯りを点けようと壁に手を伸ばしてスイッチを操作するが、何度オン・オフを繰り返 ...