第二話 Teenage Robotomy 其の3
コツ、コツ、コツ、と響く足音に心臓の鼓動がリンクし張り裂けそうになる。不安を顔に出さないようにしながら歩くベラマッチャは、十字路の手前で立ち止まり、拳を握り締めて大きく深呼吸すると、後に続く三人を見た。
「どうやら反対側へ出たようだ。諸君、一気に銅像まで走ろうではないか」
「ヘッヘッヘ、腕がなるぜ」
「ワタシ、ベラマッチャの説教を後ろで見てるわん。頑張ってねん」
「フンッ、説教など無駄じゃ。身体に教えてやればよい」
「シャザーン卿、まあ最初は僕に任せてくれたまえ」
四人はお互いに顔を見合わせ頷くと、銅像に向かって走った。
点在する暴行族の間を縫うように走る四人は、邪魔される事なく銅像に辿り着くと台座に上り、正面に居た三人の男の元へ向かった。
「キミたちィッ! 親が泣いとるぞッ!」
男達の横に出たベラマッチャは、銅像の前に立つ大勢の暴行族に向かって指差しながら、いきなり大声で説教を始めた!
だが暴行族たちは、虚ろな目で銅像の前に立っている三人の男を見ているだけで、何の反応もない。罵声を浴びる覚悟で叫んだベラマッチャは暴行族を指差したまま言葉に詰まり、一瞬の間を置いて台座の上の三人に向き直り、説教を続けた。
「いい若い者が街の人々に狼藉を働くとは怪しからん! キミたちにも良心はあるだろう。ぼうっと突っ立っとらんで、何か言ったらどうかね!」
台座の下の暴行族と同じく、三人の男からも何の反応もない。虚ろな目で、横にいるベラマッチャを見つめるだけである。
「無駄だぜベラマッチャ。この手合いは身体に教えてやらなきゃ判らねえのさ」
後ろにいたポコリーノがサンドガサ・ハットとカッパ・マントを脱ぎベラマッチャの横へ来た。
ポコリーノはガクランも脱ぎ捨てると、三人の男向かって突っ込んで行った!
「キエェッ!」
鋭い気合と共にポコリーノの殺人パンチが繰り出されると、一人目の男が頭から髪の毛を飛ばしながら台座の下へ落ちた!
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