原人ワインと原人まんじゅう

雑記帳:読むな! 呪われるぞッ!

もうすぐ八月も終わるというのに気温が39度を超えたため、涼を求めて隣町の滝に行ってきた。隣町の観光課は観光地として滝をプッシュしてるようだが、小さな滝なのに「秩父華厳の滝」なんていう日光市からクレームがきそうなネーミング。新しい名前でも公募したほうがいいんじゃないかと思いながら滝壺へ行くと、滝壺で泳いだらしき黒人女性と日本人男性の若いカップルに遭遇。女性は体にバスタオルを巻いてたが裸で泳いだのか? 滝壺に入るのは禁止じゃないけど、なにもそこまで濡れるほど入らなくてもいいと思うが。

そんな連中を横目に滝壺まで降りていくと、冷んやりした空気が迎えてくれる。嫁と二人で岩に座り、靴を脱いで滝壺に足を入れて涼みながら、なぜか昔、秩父の遺跡で原人の化石発掘を捏造した男の話になった。

もう二十年以上前だと思うが、秩父原人発見の報に秩父は大フィーバー。チプーという秩父原人のキャラクターを作り、地元企業は「原人ワイン」だの「原人まんじゅう」だのを作り、街おこしに利用しようとしていた。秩父郡の隣に住む俺もブームにのり、原人モノを入手しコレクションしようと、Tシャツ、ワイン、まんじゅう、パンなど、買い物リストを作ったものだった。


だが、新聞社のスクープで原人の化石は捏造だったと発覚、秩父原人ブームは終わってしまい、原人ワインや原人まんじゅうを入手することは幻となってしまった。原人ワインが欲しいなんてバカみたいだ、という嫁の言葉にムカつきながら、滝の横にある茶屋へ行きアイスコーヒーとアイスクリームを注文。三十分ほど休憩して帰途についた。

途中で立ち寄ったスーパーで、原人ワインならぬイタリア製のワインが税抜き472円という捨てられたような値段で売ってるのを発見し、お袋へのお土産として購入。普段は秩父産ワインを飲んでるお袋に、値段は言わず舶来品だと言って渡し、ありがたがってもらおう。