第五話 Frankenchrist 其の2
「おぉッ!」
ヘンタイロスとパンチョスは全裸で亀甲縛りをされ、ベッドに縛り付けられているヅラスカヤを見て声をあげた。
ベラマッチャも自分が被っている面を脱ぐと、パンチョスとヘンタイロスを見た。小柄なベラマッチャからすると、パンチョスもヘンタイロスも背が高く、見上げていると首が痛くなりそうな時がある。
「諸君が失神している間に、シャザーン卿がヅラスカヤを羽交い絞めにし、僕が魔ヅラを奪い取ったのだ」
ベラマッチャは満足そうな表情で頷くと、二人を連れてシャザーン卿の元へ向かった。
ベッドの横では腹巻一枚のシャザーン卿が腕を組み、縛り上げたヅラスカヤの身体を舐めるように眺めている。
ベラマッチャたちがシャザーン卿の元へ行くと、シャザーン卿はヅラスカヤの身体を見つめながら口を開いた。
「少し歳を喰っとるが、ムチムチして男好きする身体じゃ。若いスッペクタが簡単にイカされたのも頷けるわい」
シャザーン卿の言葉に、ベラマッチャもヅラスカヤを見た。確かにヅラスカヤの身体は腰がキュッとくびれ、胸の大きさは程よく形が整っており、尻も程々に張っている。
「フッフッフ……。こんな女なら毎晩でも相手できるぜ」
「フンッ! 癇に障る女だわん!」
パンチョスも顎を撫でながらヅラスカヤの身体に見入り、ベラマッチャが気分を害して横を向いてしまったヘンタイロスを宥めていると、シャザーン卿とパンチョスの声が聞こえて来た。
「パンチョス、部屋へ戻って余の服と鞭を持ってまいれ。裸では寒くてかなわん」
「分かった」
扉に向かって歩いて行くパンチョスの背中を見ながら、ベラマッチャはシャザーン卿に問い質した。
「シャザーン卿、服は分かるが鞭は何に使うのかね?」
「ヅラ師の居所を聞き出さねばならん。それには身体に訊くのが一番じゃ」
シャザーン卿は拷問により、ヅラ師の居所をヅラスカヤから聞き出そうとしている!
驚いたベラマッチャは、少々ムッとしながらシャザーン卿に意見した。
「キミィ、レディに暴力とはけしからんな。もっと違うやり方があるはずだが?」
「馬鹿め! 人間、死なぬ程度に痛めつければ言う事を聞くものよ! 余等の命を狙った女に、同情など不要じゃ!」
シャザーン卿の言葉に、ベラマッチャの後ろにいたヘンタイロスも同調した。
「そうよん! こんな女、痛い目に遭わせたほうがいいんだわん!」
「ヘンタイロス君、敵とはいえレディにする事ではなかろう。考え直したまえ」
ベラマッチャがシャザーン卿とヘンタイロス相手に議論を戦わせていると、カルロス・パンチョスがシャザーン卿の服と鞭を持って戻って来た。
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