オカマ地獄変 予告
「諸君、やっと第二章が終わったな」
アンソニー・ベラマッチャはワグカッチの広場で、ベンチに腰掛けながら疲れた表情で仲間に話しかけた。
「グダグダだったじゃねえか。作者の野郎、何も考えないで書いたに違いねえ」
「ポコリーノの言うとおりじゃ。だいたい余が墓穴に落ちて気絶するなど、考えられん事じゃ!」
「フッフッフ……。俺だってフライパンに脱糞させられたんだ。作者が何も考えてないのは分かりきってるぜ」
「ワタシもカツラスキーの摩羅をシャブらされたわん! おまけに『精を飲まない』って殴られちゃったし……。凄く痛かったのよん!」
登場人物たちが作者の悪口を言っていると、突如として天から声が響き渡った!
「誰だ、俺の悪口を言ってるのは~ッ! 次は登場人物を一新しちまうぞ!」
ベラマッチャたちが空を見上げると雲が人の顔に変わり、やがて人の形となってゆっくりと地上に降りて来たではないか!
「うッ、うおぉッ……」
驚き見つめるベラマッチャたちの前に降り立った男は、ジロリと登場人物たちを見回すと悪態を吐き始めたのだ!
「ケッ! 役立たず共が悪口ばかり言いやがって! 大体お前らに魅力がねえから読者がいねえんだよ! 書いてる俺に文句ばかり言ってねえで少しは反省しろよ!」
明らかに作者と思われる男の悪態に、口を半開きにして見ているだけだった登場人物たちがキレた!
「この馬鹿野郎~ッ! 俺たちを考えたのはテメエじゃねえか~ッ!」
「げぇッ!」
唸りを上げる木人拳に襲われ吹っ飛んだ作者は、地面に叩き付けられのた打ち回り、その作者を登場人物たちが取り囲んだ。
「僕たちに魅力が無いのは君の責任ではないのかね!?」
「次こそは余が活躍するんじゃろうな!?」
「いや、次はこのカルロス・パンチョス様だぜ!」
「タイトルからすると次はワタシなんでしょうん!?」
「――いや、まだ何も考えてねえんだ……」
「こっ、この大馬鹿野郎~ッ!」
再び殺人パンチを食らった作者は地面を転げ回ると、パンパンに腫れた顔で目に涙を浮かべながら詫びを入れた。
「すっ、すまねえ、ポコリーノのアニイ……」
「おい作者! 次こそはまともな話を考えろよ!」
「一応、次は料理人の話になると思うんだけど……」
「一応じゃと?」
「なんでファンタジーで料理なんだ?」
「職人三十六房との戦いはどうなったのん?」
「むぅ……。スモウの話はボツになったのか……」
「ケッ! 料理人とどうやって戦うってんだよぅ! 呆れて何も言えねえぜ」
「余が酒池肉林のバカンスを楽しんどる話がよいと思うがのぅ?」
登場人物たちは作者の無策に呆れ、口々に作者を罵りながら去って行った。
残された作者は、登場人物たちに聞こえないよう悪態を吐くと再び天に昇り、第三章をどうするか頭を抱え始めた。
一匹のオカマが悶え……喘ぎ……悶絶する……
これ即ち、『オカマ地獄変』也!
第三章『オカマ地獄変』の連載開始まで、いましばらくお待ちください。
ディスカッション
コメント一覧
ここは雑誌『東京倶楽部』編集室である。昼休み、記者の佐藤とカメラマンの中居が机を並べてノートパソコンをながめているところだった。
「なっ、なんじゃこりゃあ~っ!」
「先輩、海賊版っすよ!」
「まあ、しかし海賊版がでるっていうのも名誉なことかもしれんなあ」
「なにをのんきなことをいっているんですか──」
そこで、佐藤が腕組みしながら不敵な笑みをうかべたのだった。
「心配しなくていいぞ、中居。この『世界』には姫様みたいな清純派アイドルはいない。変態だらけだ」
「そっ、それは業界のタブーを──」
中居は佐藤を羽交い締めにして口を押さえたまま、引きつった顔で一礼するのだった。
「どうも、ご迷惑おかけしまーす」
一同礼!
では清純派変態などいかがでしょうか?
(うっ、AVアイドルになってしまう
──ラーモン企画とか……)
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