創作短編小説

祟り

創作短編小説

 春の冷たい雨の中、後ろが気になり何度も振り返りながら家路を急ぐ。いまだに背中を走るゾクリとした悪寒が治まらない。

 稲荷神社から家まで僅か八百メートルの距離、その道のりが途方もなく長く感じる。

「あれは祟りだ ...