番長列島

雑記帳:読むな! 呪われるぞッ!

皆さんは日本にも絶滅危惧種がいるのをご存知だろうか?

パッと思いつくだけでもイリオモテヤマネコやヤンバルクイナ、ツシマヤマネコなどがいる。詳しい方なら、動物の他に昆虫や草木など何種類も出てくるだろうが、素人はマスコミが頻繁に取り上げるものくらいしか知らないだろう。

だが、そんな絶滅危惧種に詳しい方どころか、大学で研究している専門家ですら知らない絶滅危惧種が、しかもこの日本にいるのをご存知だろうか?

それが『番長』であるッ!

こう書くと「ハァ?」とか「馬鹿じゃねーの?」とか思われるかもしれない。いや、ここまで読んでくださった方々の疑問の声が俺には聞こえるのだ。同時に久々に見る『番長』という名称に、感慨に耽っておられる方々の姿も目に浮かんでくる。それは俺と同年代以上の方々に多いと思う。

昔は学校に番長がおり、街のチンピラや他校の不良たちから生徒を守っていたのだ。

多くの子供たちは番長という正義感溢れる存在に興奮し、拳で語る姿にシビれ、夕日に向かって歩く背中に憧れたものである。

イジメによる子供の自殺、クレーマー、モンスターペアレントなどモラルの低下が著しい昨今、番長こそが今の日本に必要なのだと俺は悟った。

今の日本は多数が1人を、立場が下の人間を的に、逆ギレすれば自分が思ったとおりに事が進む、などの卑劣と言える人間が確実に増えている。

以前起こった小学生の自殺も、学級崩壊が起こって先生のコントロールが効かなかった事が大きいらしい。これも学校側が、親の目を気にして生徒に十分な指導ができなくなったからではないのか?

以前小学校の先生から、児童が教室のガラスを割ったので母親を呼び注意したところ、翌日父親が現れて先生の学歴を聞き、「失礼だが、あなた程度の学歴の方に子供を教えてほしくない。担任を替わるか、無理ならうちの子供の事に口出ししないで欲しい」と言われたという話を聞いた。その場にいた先生たちは皆開いた口が塞がらなかったそうだ。

卑劣な奴には拳で物事の道理を教え、弱きを助け強きを挫く番長。その存在の中には今で言うモラル、つまり多くの日本人が共有する常識を守るという正義にも似た感覚があったからこそ、男の子たちは番長に憧れたのではないのだろうか?

もはや番長はニホンオオカミのように絶滅してしまっているかもしれない。しかし何年か前にも秩父山中で狼らしき動物が撮影されており、まだ番長も日本の何処かにいる可能性はある。

古代日本でナウマンゾウが闊歩していたように、ほんの数十年前まで日本中で番長が闊歩し闘っていた。そう、日本は番長列島と言ってもおかしくない国だったのだ。

暴力はいけないなどと言わず、日本人にはもう1度番長を受け入れる度量を身に付けて欲しい。

何故なら番長の拳は我々日本人のモラルの拳だからである。