第七話 Head On A Pole 其の10
膝立ちで己の股間に顔を埋め、必死に摩羅をしゃぶるヘンタイロスを見下ろすカツラスキーは、勝ち誇った顔をしている。
やがてベラマッチャが見ている前で、カツラスキーがブルルッと身震いしたと思うと、ヘンタイロスが股間から顔を離した。
「こっ、これでワタシの忠誠心が分かって貰えたかしらん……」
ヘンタイロスは口に放出された精液を吐き出すと、下卑た目でカツラスキーを見上げた。だが無言のまま立つカツラスキーは、ヘンタイロスの言葉に首を横に振ったではないか!
「なっ、何故なのん!」
ヘンタイロスは驚き、目を丸くした。
「せっかく与えてやった精を飲み込まんとは……。退け! この汚らわしいオカマがぁッ!」
「げぇんッ!」
カツラスキーはヘンタイロスの後頭部に蹴りを入れると、摩羅も終わずに昏倒したヘンタイロスを飛び越え、ベラマッチャに迫った!
摩羅を出したまま軽やかなフットワークで迫るカツラスキーに、ベラマッチャは逃げる事ができずその場で身構えた。
「まずは貴様を始末してやる!」
叫びながら襲い掛かるカツラスキーが繰り出す拳に、ベラマッチャは避ける事ができず一方的に殴られ始めた。
「ほげえぇッ!」
凄まじい連打にベラマッチャの両足は完全に空中に浮き、地面に足を着ける事すら叶わない。左フック、右アッパーと打ち込まれる度、ベラマッチャは己の意識が薄れていくのを感じる。
「とどめだ!」
ベラマッチャが薄れ行く意識の中で家族と過ごした故郷での日々を思い返していると、微かにカツラスキーの声が聞こえてきた。
(オォ、マミー……。僕もすぐに行くよ……)
ベラマッチャは死を覚悟して両目を閉じた。
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