第七話 Head On A Pole 其の8
「じゃあワタシたちに暴行族退治をさせたのは、ワタシたちと暴行族を潰し合わせるためって事ん?」
「そういう事だ。だが私の目論見は外れ、貴様等は呆気なく暴行族を潰した」
カツラスキーはベラマッチャたちに向かってゆっくりと歩を進めながら、頭上を旋回している魔ヅラをチラリと見た。
「貴様等二人は口先だけだ。魔ヅラを使うまでもあるまい。寝ている連中より先に始末してやる」
不敵な笑みを浮かべるカツラスキーにベラマッチャは戦慄を覚え、尻の穴に力を入れて身構えた。このままでは殺られるのは確実である。何と言ってもカツラスキーは拳闘士の魔ヅラを被っているのだ。自分とヘンタイロスはタコ殴りにされて殴り殺されてしまうだろう。
なんとか魔ヅラの威力を防げないかと、一歩、二歩と近付くカツラスキーを見つめるベラマッチャは、ふと歩み寄る足元がフラついている事に気づき、傍にいるヘンタイロスに耳打ちした。
「ヘンタイロス君、彼の足元を見たまえ。フラついているのはおかしいと思わんかね?」
「こんな時に何言ってるのよん。フットワークを使ってるんじゃないのん?」
「いや違うぞヘンタイロス君。彼はあきらかに変調をきたしている」
ベラマッチャの言葉に、ヘンタイロスもカツラスキーの足元を見た。ベラマッチャが言うように、確かに歩み寄る足がフラついている。顔も心なしか青褪めているようだ。
ヘンタイロスはベラマッチャと顔を見合わせると、サイコロジーを駆使してカツラスキーの攻撃をかわそうと思い立った。
「ベラマッチャ、サイコロジーを使うのよん。攻撃をかわせば逃げられるかもしれないわん」
「むぅ、僕も同じ事を考えていたところだ。イチかバチか彼の攻撃をかわす事に専念しよう。カツラスキーに隙ができれば反撃だ」
ベラマッチャとヘンタイロスがコソコソ相談していると、カツラスキーの声が聞こえてきた。
「逃げる相談か? 無駄な事を。一撃で殺し、後ろの墓穴に落としてやる。いくぞ!」
ベラマッチャたちのすぐ近くまで詰め寄ってきたカツラスキーは大声をあげ、ベラマッチャに殴りかかった!
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