第五話 Frankenchrist 其の4
ベラマッチャたちは部屋の前まで来ると、階段に誰もいないか用心深く覗き込み、シャザーン卿を先頭に部屋へ入った。
最後にベラマッチャが入り、扉の鍵を閉めて部屋の奥へ行くと、シャザーン卿がヅラスカヤをベッドに下ろしている。
ベラマッチャとパンチョスも荷物を置き、ヘンタイロスの背からポコリーノを下ろしてソファーに寝かせると、バックパックからロープを取り出してシャザーン卿の元へと向かった。
「シャザーン卿、また彼女をベッドに縛り付けるのだろう?」
そう言うとベラマッチャはシャザーン卿にロープを渡し、自分で持っているロープをヅラスカヤの足首に巻き付け始めた。
「ヘンタイロス君とパンチョス君も手伝ってくれたまえ」
側に来たヘンタイロスとパンチョスにもロープを渡し、四人で一斉にヅラスカヤの身体をベッドに縛り付ける。
ヅラスカヤの両手、両脚とも大きく広げ、身動きできない様にベッドに固定すると、ベラマッチャは立ち上がってヅラスカヤの身体を眺めまわし、頬を赤く染めた。
街の人々から『裸族』と揶揄されるベラマッチャの村でも、女性は胸と股間だけは隠していた。ところが全裸のヅラスカヤは、胸はおろか股間まで人目に晒されてしまっているのである。
「シャザーン卿、レディの股間まで露にする必要があるのかね?」
ベラマッチャの言葉にシャザーン卿はニヤリと笑いを浮かべた。
「恥ずかしい所まで晒し、自尊心を粉々に打ち砕かねば、女は口を割らぬものじゃ」
シャザーン卿は腰から鞭を取ると、鞭を床に叩き付けた。
空を切り裂き床に叩き付けられる鞭の音を聞いたベラマッチャは、紳士としてあるまじき行為を行なわねばならない事に、苦悶の表情を浮かべざるを得ない。いくら自分たちを殺そうとした敵でも、相手はレディなのだ。
葛藤する二つの感情を制御し、紳士として冷静に振舞おうとしていると、シャザーン卿の声が聞こえてきた。
「準備はできた。やるぞ!」
シャザーン卿はクワッと目を見開き、右手に持っていた鞭をヅラスカヤの身体めがけて振り下ろした!
「うぎゃあぁッ!」
失神していたヅラスカヤは突然襲い掛かった激痛に叩き起こされ、目を剥いて悲鳴をあげた。
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