第五話 Frankenchrist 其の9
「ぬぅッ! 男子の面前で早漏呼ばわりするとは! 確かに僕は発射したばかりだが、終着駅は遥か先だ! この屈辱、必ず晴らしてみせるぞ!」
ベラマッチャが未だ怒張したままの摩羅を抜かずに叫んでいると、シャザーン卿の声が聞こえてきた。
「おぉポコリーノとヘンタイロス、やっと目覚めたか」
「うぅッ……。フラフラしやがる」
「あらん、ポコリーノ、目が覚めたのねん? まあ! ベラマッチャがイヤらしい事してるじゃないのよん!」
ヘンタイロスはベッドを見て驚きの声をあげると、床に置いてあるシャザーン卿の鞭を取ってベッドの横に行き、怒りの形相でヅラスカヤを睨みつけながら突如として鞭を振るいだした。
「ぎゃあぁッ!」
「憎たらしい女だわん! 気持ちいい事を独り占めして!」
ベラマッチャは、ヘンタイロスの怒りのベクトルが違っているのではないか、と思いながらも、ヅラスカヤの太股を抱えて再び腰を動かし始めた。
「レディ、僕もこれ以上、仲間を止められん。吐いてくれたまえ」
ベッドの上は、縛られて鞭打たれながら犯される熟女が泣き叫ぶという、阿鼻叫喚の世界と化した!
腰を動かす事数回、ヅラスカヤの悲鳴を聞きながら、またもやベラマッチャは呆気なく果ててしまい、萎えていく摩羅を抜きヅラスカヤを見た。
鞭打たれ泣き叫ぶ哀れな女の姿を見ていると、早漏と罵られた事などどうでもよくなり、後悔の念が湧き起こってくる。
紳士としての掟を破り女と交わってしまったばかりか、その交わりも強姦なのだ。ヅラスカヤから受けた屈辱で、一度はイカせてやると思ったものの、強姦されている女がイク事はないだろう。
ベラマッチャは鞭打つヘンタイロスの姿を一瞥すると、シャザーン卿たちの元へ向かった。
「この様子では吐かんだろう。今夜はもう休み、明日にしようではないか」
「フッフッフ……。そうするか」
「ヘンタイロス、今日は止めじゃ!」
シャザーン卿の声で鞭打つのを止めたヘンタイロスが戻って来ると、ベラマッチャはヅラスカヤの体にシーツを掛け、ベッド脇の床に寝転んだ。
「諸君、今日はもう休みたまえ」
ベラマッチャの言葉に皆が床やソファーに寝転び始めると、やがて寝息や豪快な鼾が聞こえてきた。
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