第四話 Death,Agony and Screams 其の8
殴りかかるポコリーノの拳を間一髪でかわしたベラマッチャが、咄嗟にヘンタイロスの後ろに隠れると、ポコリーノは拳を振り上げたまま、今度はヘンタイロスに殴りかかった!
「げぇんッ!」
ポコリーノの拳はヘンタイロスの顔面を捉え、ヘンタイロスは壁まで吹っ飛ばされて崩れ落ちた。
ヘンタイロスの姿を見たベラマッチャは腰を抜かして尻餅をつき、震えながら失禁してパンチョスに助けを求めた。
「パッ、パンチョス君!」
ポコリーノの殺人パンチの凄まじさを知るベラマッチャが、目に涙を浮かべながらパンチョスを見ると、パンチョスはポコリーノに向かって突進して行く。
「P.P.~ッ!」
ポコリーノに殴りかかるパンチョスだったが、魔ヅラを被り狂乱しているポコリーノの相手にはならず、あっという間に血だるまにされ、倒されてしまった。
「ホッホッホ! アンソニー・ベラマッチャ、紳士も失禁してはお終いね!」
ヅラスカヤが再びバッグから魔ヅラを取り出し、ベラマッチャに向かって投げ付けようとした時だった。
突如、ポコリーノの魔ヅラが取れた!
「うッ!」
魔ヅラは、何者かが持ち上げたかの様にポコリーノの頭上に浮かび上がり、壁に叩きつけられて床に落ちた。
ポコリーノは白目を剥いて涎を垂らしたまま一瞬動きを止めると、眠るように床に倒れ込んだ。
「しまった! シャザーン卿か!」
ヅラスカヤが慌てふためき、ベラマッチャに向かって魔ヅラを投げようとした瞬間、両手を挙げたまま動きが止まった。
「ベラマッチャ! 魔ヅラを奪い取るんじゃ!」
シャザーン卿の声に、ベラマッチャは起き上がってヅラスカヤの元に走ると、右手に握り締められている魔ヅラを取り上げた。
「クッ! シャザーン卿、逃げたのではなかったのか!」
ヅラスカヤが大声で叫ぶとシャザーン卿が姿を現した。シャザーン卿は後ろからヅラスカヤを羽交い絞めにしたままベッドに向かうと、ベラマッチャにロープを持って来るよう伝え、ヅラスカヤから離れた。
「勝ったつもりか!」
ヅラスカヤは向き直り、シャザーン卿の頬を平手打ちにした。
シャザーン卿はヅラスカヤをジロリと見ると、力を込めてヅラスカヤの頬に平手打ちを喰らわせ、失神したヅラスカヤをベッドの上に乗せた。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません