夢幻の旅:第七話

蛍は女性誌を一冊抱えてニコニコ微笑みながら、顔を向けただけの俺を見つめている。
一瞬ドキリとし、抱きしめてしまいたい衝動に駆られるものの、なぜか同時に罪悪感が沸き起こり、一歩踏み出そうとした足が止まった。
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夢幻の旅:第六話

付録を付けるのはスタッフに任せるとして、カートに置いた雑誌を出してしまおう。今日の商品入荷量では、雑誌に付録を付けてからだと開店時間を過ぎても雑誌が出ない。女性誌は付録付き商品が多く、今日の入荷品の半分近くが付録付きの女性誌だ。
夢幻の旅:第五話

翌朝、目を覚ましてダイニングへ向うと、良美が作る朝食の匂いが漂ってくる。
「おはよう」
「おはよう。あなた、新聞取ってきて。いま手が離せないの」
良美に言われ、門のところまで新聞を取りにいき、ダ ...