創作長編小説

夢幻の旅

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 駐車場から病院の前を通る道に出ると、東に向かって通勤ラッシュが終わった道路を走る。時間は朝十時過ぎ、交通量は少なく車は快調に走っていく。

 やっと退屈な入院生活から解放されたためか、俺は自然と助手席に座る良美に話しかけて ...

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夢幻の旅

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 ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。

 この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。

「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた? ...

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創作長編小説

 明日には病室を引き払うんだから自分の荷物をまとめておこう。退院できる嬉しさに、着替えやマグカップを出してバッグに詰めていると、母さんがクスクス笑いなが話しかけてきた。

「退院するのは明日よ。まだ荷物を片付けるのは早いんじ ...