夢幻の旅:第二十七話
駐車場から病院の前を通る道に出ると、東に向かって通勤ラッシュが終わった道路を走る。時間は朝十時過ぎ、交通量は少なく車は快調に走っていく。
やっと退屈な入院生活から解放されたためか、俺は自然と助手席に座る良美に話しかけて ...
夢幻の旅:第二十六話
ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。
この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。
「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた? ...
Autographic 第四話:家路
明日には病室を引き払うんだから自分の荷物をまとめておこう。退院できる嬉しさに、着替えやマグカップを出してバッグに詰めていると、母さんがクスクス笑いなが話しかけてきた。
「退院するのは明日よ。まだ荷物を片付けるのは早いんじ ...