創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 緩和ケア病棟は、今いる病棟の南側にある。

 二つの病棟をつなぐ二階の連絡通路に行くため、俺たちはエレベーターに乗り込んだ。

 扉が閉まると、俺は溢あふれ出る涙を袖口で拭き、大きく溜息をついた。

「 ...

創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 道路に出て、車を走らせてから少しすると、やっと緊張から解放され息が整っていく。

 ここ最近、自宅で起こる怪異や俺のスマホに自分からのメールが着信するなど、不思議な現象が続いている。もしかしたら、俺が入院してる間も怪異が続 ...