創作短編小説

祟り

創作短編小説

 春の冷たい雨の中、後ろが気になり何度も振り返りながら家路を急ぐ。いまだに背中を走るゾクリとした悪寒が治まらない。

 稲荷神社から家まで僅か八百メートルの距離、その道のりが途方もなく長く感じる。

「あれは祟りだ ...

創作長編小説

神様の贈りもの

創作長編小説

 夢で見るだけだと思っていた光と声が、なぜ真昼の店内に出現したのか分からない。だから混乱した。光の中から人が現れ、しかもあの声が「仲良くしろ」と、今まで見た夢とは違うことを言ったのだ。

 でも俺はすぐ、この篠塚由樹という女 ...