Autographic 第二十話:傷跡

車内が暑くなってきたところで少し窓をあけると、むせ返すような緑と土の匂いが車内に入ってくる。後ろを見れば、狭い車内で重なり合うロボたちは、時たま下になった犬が苦しそうに顔を出し、体勢を入れ替え上に出てきたりを繰り返していた。 ...
Autographic 第十四話:山犬

熊は後ろ脚で立つのを止め、再び前脚を地に付けて川の中を僕の方に向かってゆっくりと歩いてくる。野犬を見ると、熊を睨んだまま歯をむき出して唸り声をあげ、熊を威嚇していた。
川のせせらぎと体をすり抜けていく風だけが時の流れを ...