創作長編小説

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創作長編小説

 僕は新井さんの姿が見えなくなるまで手を振り続けたが、車がカーブを曲がったところで大きく深呼吸して山の空気を吸い込んだ。

 窓を閉めて午後の日差しが降り注ぐ空を見ていると、隣からおじさんの声が聞こえてくる。

「 ...