創作長編小説

Autographic

創作長編小説

 朝、目を覚ますと鮭を焼く良い匂いが漂ってくる。眠い目を擦りながら布団から抜け出し、匂いを辿りながら居間へ行くと、おじさんが囲炉裏で味噌汁を作っていた。

「おう秀人、起きてきたか」

「おはよう、おじさん」

創作長編小説

Autographic

創作長編小説

「秀人! 突然いなくなったから心配したぞ!」

 おじさんと新井さんが、猟銃を肩に掛けたまま凄い顔で近付いてくる。見ると、立ち止まって野犬を見ていた猟犬たちも、おじさんたちが来たら尻尾を振って動きはじめた。

「お ...