夢幻の旅:第五話

翌朝、目を覚ましてダイニングへ向うと、良美が作る朝食の匂いが漂ってくる。
「おはよう」
「おはよう。あなた、新聞取ってきて。いま手が離せないの」
良美に言われ、門のところまで新聞を取りにいき、ダ ...
Autographic 第二十三話:絶滅

お守りをジーンズのポケットにネジ込み、神楽殿の横を通って参道を進む。参道は、両脇に生い茂る多くの木から漏れる光が、所々木漏れ日を作っている。痛い脚を引きずりながら、ニホンオオカミの毛皮を見るため僕は急ぎ足で歩く。
緩や ...
三峯神社へ

父方の伯母に頼まれ、成年後見人の手続きをしようと思い親族に同意書を送ったのだが、反対者が出て手続きが頓挫している。
非常に恥ずかしい話なのだが、反対している者たちは俺が伯母の財産を使い込むのではないかと思っているらしい ...
Heaven Sent:第二十四話(最終話)

夢で見るだけだと思っていた光と声が、なぜ真昼の店内に出現したのか分からない。だから混乱した。光の中から人が現れ、しかもあの声が「仲良くしろ」と、今まで見た夢とは違うことを言ったのだ。
でも俺はすぐ、この篠塚由樹という女 ...