創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 昨日の、希望が少しだけ混じった想像が不可思議な現象と共に絶望に変わり、奈落の底に叩き落されたまま床に就いたが、良美と蛍のことを考えているうちに寝てしまったようだ。

 朝の光と小鳥のさえずりで目を覚まし、リビングへ行ってみ ...

創作長編小説

Autographic

創作長編小説

 椅子に座ったまま靴下を脱ぎ、診察台に上がって仰向けに寝ていると、横に来た榛沢先生が僕の足首を触診し始めた。

「痛いっ!」

 ズキンとする痛みに思わず声を出してしまったが、先生は気にする素振りも見せずに触診を続 ...