創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 緩和ケア病棟は、今いる病棟の南側にある。

 二つの病棟をつなぐ二階の連絡通路に行くため、俺たちはエレベーターに乗り込んだ。

 扉が閉まると、俺は溢あふれ出る涙を袖口で拭き、大きく溜息をついた。

「 ...