創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 公園を出て丘を降っていくと、下に灯りが見えてくる。

 丘の前を通る四車線の道路に立ち並ぶ多数の外灯が、夕暮れが終わろうとしている世界を明るく照らし、道路を幻想的なまでに浮かび上がらせていた。

 道路に出ても、 ...

創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 翌朝、目を覚ましてダイニングへ向うと、良美が作る朝食の匂いが漂ってくる。

「おはよう」

「おはよう。あなた、新聞取ってきて。いま手が離せないの」

 良美に言われ、門のところまで新聞を取りにいき、ダ ...

創作長編小説

神様の贈りもの

創作長編小説

 課長の配慮で二月から店舗で勤務することになったが、やっぱり体を動かして働いてると嫌なことを思い出す機会が少ない。本部でデスクワークをしてるより精神的に楽だし、なにより自分で売り場を作るのが楽しいし商品が売れると励みになる。最初は本部 ...