創作長編小説

夢幻の旅

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 ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。

 この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。

「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた? ...

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夢幻の旅

創作長編小説

 廊下に出て右に行くと、突き当たって左側にテーブルやベンチが設置されたスペースがある。

 その場所に人が多くなかったこともあり、窓際まで点滴をぶら下げたイルリガートルを押していき、ベンチに座って電話をすることにした。

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創作長編小説

 中学三年生になったばかりなのに、僕は急性骨髄性白血病と診断され入院している。このところ目眩がしてたし、毎日のように体もだるい。先月、体育の授業中に貧血を起こして倒れてしまい、保健室の先生に病院へ行くよう言われ、帰宅して母と共に病院へ ...