夢幻の旅:第二十六話
ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。
この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。
「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた? ...
夢幻の旅:第二十五話
廊下に出て右に行くと、突き当たって左側にテーブルやベンチが設置されたスペースがある。
その場所に人が多くなかったこともあり、窓際まで点滴をぶら下げたイルリガートルを押していき、ベンチに座って電話をすることにした。
Autographic 第一話:絶望
中学三年生になったばかりなのに、僕は急性骨髄性白血病と診断され入院している。このところ目眩がしてたし、毎日のように体もだるい。先月、体育の授業中に貧血を起こして倒れてしまい、保健室の先生に病院へ行くよう言われ、帰宅して母と共に病院へ ...