創作長編小説

夢幻の旅

創作長編小説

 俺の腕の中で震える良美に目をやり、次いで食器棚に視線を移すと、揺れる食器棚の中に置いてある皿がガチャガチャ音を立てて上下に振動している。

「ちょっと……なんなのよ、これ……」

「どうなってるんだ……」 ...

創作長編小説

神様の贈りもの

創作長編小説

 中学三年生の夏、一学期の期末テストが終わり授業が午前中だけになってから数日、茹だるような暑さの中登校すると、教室は大騒ぎになっていた。仲の良い友達たちが五人集まり、高田という奴が身振り手振りを交えて大声で何事かを話している。プロレス ...