ロックンロール・ライダー:第十一話

地下鉄を乗り継ぎ、俺たちは六本木へ。
駅の改札を抜けて地上へ出ると、道路の両側を埋め尽くすように立ち並ぶビルの狭間を、夜の街を彩るネオンや照明に照らされながら、大勢の人たちが歩いている。
日は沈んでるはず ...
ロックンロール・ライダー:第十話

開発部はユニックス機が置いてある部屋と同じフロア、会社が入っているビルのひとつ上の階にある。
階段を上っていき、「日本データサービス開発部」と書かれたドアを開けると、右側がユニックス機が置かれている部屋のドア、正面のガ ...
ロックンロール・ライダー:第九話

イフ文にパフォーム文、ピクチャー句、いろんな命令文や定義文が解説され、ノートに書きながら少しづつコボル言語を覚えていく。
駒田主任の説明は分かりやすく、開発部は嫌だと思っていた俺も次第にプログラミングに興味が湧いてくる ...
ロックンロール・ライダー:第八話

お喋りを続ける女二人を引き連れ、ビルの谷間を歩いて会社へ向かう。
後ろを歩く安田さんと馬場さんは、相変わらず俺の顔のことで盛り上がっており、どんな服が似合うか話している。
俺の私服なんて革ジャンにジーンズ ...
ロックンロール・ライダー:第七話

人事部で書類を訂正して会議室へ戻り、桑原課長促うながされて席に着く。人事部から、会社の組織がどうなっているのか説明するらしい。
「日本データサービスは、銀行や証券会社のコンピューターシステムを開発するソフトウェア会社です ...
ロックンロール・ライダー:第六話

気怠けだるい午後の昼下がり、帝釈天と柴又駅の間を通る道を、春の日差しを浴びながら昨日とは反対方向に歩く。
ガソリンスタンド、コンビニ、焼き肉屋、埼玉の実家付近では絶滅してしまった畳屋も営業している。
散歩 ...
ロックンロール・ライダー:第五話

アパートへ来るときに通った道を高砂方面に向かい、駅前にあった大型スーパーを目指す。
昨日は気付かなかったが、高砂駅へ行く途中の踏切手前に蕎麦屋を見つけた。好きな食べ物だし、今日の昼飯は決定だ。
大型スーパ ...
ロックンロール・ライダー:第四話

アパートを出て右に行くと少し大きな通りに出る。
その通りを左へ曲がり少し行くと、右側には有名な映画で何度も見た帝釈天の参道が現れ、左側には、失恋した主人公が大きなトランクを持って旅に出る柴又駅があった。
( ...
ロックンロール・ライダー:第三話

荷物を詰めたバッグを持ち、まずは不動産屋から鍵を預かっている銀座の伯父の店へ向かう。
山手線の新橋で下車し、歩いて銀座へ。
伯父の家は銀座といっても外れにあり、新橋に近い。昔は木挽町といい銀座じゃなかった ...
ロックンロール・ライダー:第二話

駅までの道のりで一本吸い、銀座線で上野まで行きアメ横へ向かう。
地下鉄の中でも降りてからも、判で押したように若い男はソフトスーツ、若い女はワンレンかトサカ前髪で肩パットが入ったボディコン。聞こえてくるのは笑い声ばかり。 ...