創作長編小説

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 道路に出て、車を走らせてから少しすると、やっと緊張から解放され息が整っていく。

 ここ最近、自宅で起こる怪異や俺のスマホに自分からのメールが着信するなど、不思議な現象が続いている。もしかしたら、俺が入院してる間も怪異が続 ...

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 駐車場から病院の前を通る道に出ると、東に向かって通勤ラッシュが終わった道路を走る。時間は朝十時過ぎ、交通量は少なく車は快調に走っていく。

 やっと退屈な入院生活から解放されたためか、俺は自然と助手席に座る良美に話しかけて ...

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 ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。

 この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。

「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた? ...

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 廊下に出て右に行くと、突き当たって左側にテーブルやベンチが設置されたスペースがある。

 その場所に人が多くなかったこともあり、窓際まで点滴をぶら下げたイルリガートルを押していき、ベンチに座って電話をすることにした。

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「良美、売店で水を買ってきてくれないか」

 俺はベッドに横になったまま、クローゼットに荷物を収納している良美に向かって、水を買ってきてくれるよう頼んだ。

 昨夜からの水分補給が朝食の味噌汁と水だけのためか、喉が ...

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 ――救急車の通過を知らせる、騒々しいアナウンス。

 けたたましく鳴り響くサイレンに叩き起こされて目を開くと、カーテンで仕切られた病室のベッドの上で寝ていた。

(そうだ、店で倒れて入院させられたんだ……)

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「良美! 脚立きゃたつに上ってくれ!」

 一階の屋根に付いている雨樋あまどいを外し終えた俺は、季節外れの大雪で壊れた家の雨樋を修理するため、良美に手伝ってもらって新しい雨樋に交換しようとしていた。屋根に付いていた雨樋は雪の ...

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 ――遠くから聞こえてくるサイレン。頭上に感じる人の気配。体に感じるのは冷たく硬い材質。

 なぜか俺は寝ているようだが、動こうとしても体が言うことを聞かず、頭と右肩が痛い。

 瞼まぶたを突き破って届く光を認識し ...

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 人目に触れないよう店の裏側へ回り、周囲に人がいないことを確かめてから胸のポケットにある煙草とライターを取り出し、左手に持った煙草の先に火を点ける。

 ライターを胸のポケットにしまいながら煙を深く吸い込み、吐き出しながら煙 ...

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 公園を出て丘を降っていくと、下に灯りが見えてくる。

 丘の前を通る四車線の道路に立ち並ぶ多数の外灯が、夕暮れが終わろうとしている世界を明るく照らし、道路を幻想的なまでに浮かび上がらせていた。

 道路に出ても、 ...