第七話 Head On A Pole 其の7

2017年11月8日カツラ大戦争

 まさに瞬殺! パンチョスは指揮され、ポコリーノは殴り倒され、シャザーン卿は穴に落とされた。カツラスキーは僅かな時間で三人を葬り去ったのだ!

 ベラマッチャは驚愕し、食い入るようにカツラスキーを見つめるしか出来ない。

 カツラスキーは墓穴を覗き込み、満足そうな顔で頷くと顔を上げ、ベラマッチャとヘンタイロスを見た。

「フフフ……。残るは裸族とオカマか……。貴様らが驚くのも無理はない。カルロス・パンチョスはベントーベンの魔ヅラの力で失神し、木人はホラメド・アリの魔ヅラの力で殴り倒され、シャザーン卿は軽業の師匠の魔ヅラにより昏倒した」

 得意げに語るカツラスキーを見つめるベラマッチャは、己の人生がここで終わるかもしれないと感じ、ふと衝動に駆られ疑問に思っていた事を尋ねてみた。

「君たちエージェントは、何故ワグカッチの街で暴行族に魔ヅラを被せたのかね?」

「大陸との戦争が長引き、戦費を調達せねばならんからな。イドラ島屈指の歓楽街を持つワグカッチを王国直轄地として税を課すべし、との指令を受けたのだ」

「ノーテン・クラクーラの指令かね?」

「これから死ぬ貴様らが知る必要はない。今頃はマラッコがワグカッチの顔役を始末している筈。私がワグカッチの顔役と有力者を集めて王宮の直轄地にする旨を伝えると、あの男は『王国の命令に従うからワグカッチの顔役にしてくれ』と密書を遣して尻尾を振ってきた。王国の命令に従うなら顔役にしてやると伝えると、奴は顔役がディープバレーのイザブラーに相談している事と、イザブラーの身内である貴様らがワグカッチに逗留している事を伝えてきたのだ。公務員として王宮の命令を実行するため、邪魔になりそうな顔役と貴様らを排除する必要があると考えた私は、マラッコと謀り暴行族退治の名目で邪魔者を始末しようと連中に魔ヅラを被せたのだ」

 カツラスキーの話を聞いたベラマッチャとヘンタイロスは仰天した! 暴行族退治はカツラスキーとマラッコが仕組んだ謀略だったのだ!

 おそらくワグカッチの顔役は、既に鬼籍に入っているに違いない。マラッコは己の欲望のために顔役とベラマッチャたちを売ったのだ。

 想像を絶する真実を前にベラマッチャの頭は真っ白になり、何も考える事が出来なくなっていた。


2017年11月8日カツラ大戦争