第五話 Frankenchrist 其の4

2017年11月8日カツラ大戦争

 ベラマッチャたちは部屋の前まで来ると、階段に誰もいないか用心深く覗き込み、シャザーン卿を先頭に部屋へ入った。

 最後にベラマッチャが入り、扉の鍵を閉めて部屋の奥へ行くと、シャザーン卿がヅラスカヤをベッドに下ろしている。

 ベラマッチャとパンチョスも荷物を置き、ヘンタイロスの背からポコリーノを下ろしてソファーに寝かせると、バックパックからロープを取り出してシャザーン卿の元へと向かった。

「シャザーン卿、また彼女をベッドに縛り付けるのだろう?」

 そう言うとベラマッチャはシャザーン卿にロープを渡し、自分で持っているロープをヅラスカヤの足首に巻き付け始めた。

「ヘンタイロス君とパンチョス君も手伝ってくれたまえ」

 側に来たヘンタイロスとパンチョスにもロープを渡し、四人で一斉にヅラスカヤの身体をベッドに縛り付ける。

 ヅラスカヤの両手、両脚とも大きく広げ、身動きできない様にベッドに固定すると、ベラマッチャは立ち上がってヅラスカヤの身体を眺めまわし、頬を赤く染めた。

 街の人々から『裸族』と揶揄されるベラマッチャの村でも、女性は胸と股間だけは隠していた。ところが全裸のヅラスカヤは、胸はおろか股間まで人目に晒されてしまっているのである。

「シャザーン卿、レディの股間まで露にする必要があるのかね?」

 ベラマッチャの言葉にシャザーン卿はニヤリと笑いを浮かべた。

「恥ずかしい所まで晒し、自尊心を粉々に打ち砕かねば、女は口を割らぬものじゃ」

 シャザーン卿は腰から鞭を取ると、鞭を床に叩き付けた。

 空を切り裂き床に叩き付けられる鞭の音を聞いたベラマッチャは、紳士としてあるまじき行為を行なわねばならない事に、苦悶の表情を浮かべざるを得ない。いくら自分たちを殺そうとした敵でも、相手はレディなのだ。

 葛藤する二つの感情を制御し、紳士として冷静に振舞おうとしていると、シャザーン卿の声が聞こえてきた。

「準備はできた。やるぞ!」

 シャザーン卿はクワッと目を見開き、右手に持っていた鞭をヅラスカヤの身体めがけて振り下ろした!

「うぎゃあぁッ!」

 失神していたヅラスカヤは突然襲い掛かった激痛に叩き起こされ、目を剥いて悲鳴をあげた。


2017年11月8日カツラ大戦争